大事なトコロにニシム。

大事なところにニシム
ニシムのダム総合監視システム

水力発電の安定稼働を守るダム水量の監視と制御

日本全体の電源設備量の、約15%を占める水力発電。天然ガスや重油など、輸入エネルギーに頼らない発電技術であること、発電時に二酸化炭素や窒素酸化物等を排出しないことなどから、火力・原子力発電が主流となっている現在も、水力発電は我が国にとって非常に重要な再生可能エネルギーとして計画的な開発が進められている。

さて、この水力発電。ご存知の通り、ダムに貯めた水を落下させることで水車(発電機)を回転させているわけだが、発電設備を安定的に稼働させるためには、ダムの水量を条件に合わせてコントロールしていく必要がある。水量の多い台風等の洪水時には下流に対して安全にダム放流を行ったり、平常時には必要な発電量等に対して水を貯め込んだりと、様々な状況に応じて最適な貯水量の調整運用が求められているからだ。

そのため、雨の量、ダムに流れ込む水の量など、日々刻々と変化する多くの要素をチェックしながら、「貯める」「放水する」の適切な切り替えを永続的に繰り返す...。この終わりのない作業が、かつては「人の目」による視認チェックと、経験則に基づく判断により制御されていたという。

ニシムのダム監視システムが導入された石河内ダムと大瀬内ダム

現地操作から情報を集中化して遠隔操作が可能なシステムへ

九州における電力供給を一手に担う九州電力殿。同社が管理する九州(沖縄除く)内の水力発電用ダムは現在、7県(支店)合計で138ヵ所。このうち、洪水吐ゲートを有する31ダムには、かつては各ダムに数名が常駐し、水位や降雨量に応じてダム放流を行うとともに、下流域への放水警報連絡や下流域に対するパトロールを行っていた。晴天時や小雨の時はまだしも、降雨量やダム流入量が一定レベルを超え、ダム放流が必要となった場合は刻々と変化する様々な条件を的確に判断しつつ、ゲート放流操作にあたらなければならないため、洪水が長期化すると厳しい放流対応を強いられることもあったという。

そうした状況を改善するため平成8年頃から、九州電力殿主導による遠隔監視・制御システムの試験運用がスタートした。ニシムが「ダム総合管理システム」の設計を開始したのも、ちょうどこの時期から。ただ、それまでダム関連の監視・制御ノウハウを持たなかった同社にとって、当初は毎日が手探り状態だったという。

試行錯誤を繰り返し、システムの改良なども鋭意進めながら、平成13年から本格運用がスタート。現在、熊本、佐賀、宮崎、鹿児島の九電4支店が管轄する水力発電用ダムに、ニシムの「ダム総合管理システム」が導入されている。

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