大事なトコロにニシム。

大事なところにニシム
送電線故障区間検出装置
フォルトセクタ

落雷、台風、クレーン車、鳥の営巣・・・多くの危険要因に曝される送電線

人家の少ない郊外に出かけた際、田園地帯や山嶺の傾斜面などにそびえ立つ鉄塔を目にすることがある。それら鉄塔の多くは、発電所で作られた電気を各地の変電施設や大消費者(大規模な生産工場など)に運ぶ、電線を懸架するための設備だ。

我々が日常的に目にする、いわゆる「電信柱」に懸かっている電線と異なり、鉄塔が懸架する電線は、絶縁被膜に覆われておらず自然環境の様々な危険要因にさらされている。

 

最も多いのは、落雷による衝撃。積乱雲が発達する夏場はもちろんのこと、帯電した雲の塊が低く垂れ込めやすい冬場も、落雷は頻繁に発生する。

また、大規模な台風が上陸すると、吹き飛ばされたビニールハウス等が送電線に絡まってショートすることもあるし、建屋建設に伴うクレーン車のブームが送電線に接触し事故が発生したり,近年は、カラスなど中型の鳥が鉄塔上に営巣し、その最中に針金の切れ端等を送電線に落としてショート...といったケースも少なくないという。

電線上で事故が発生すると目印を出して区間を限定

特別高圧送電線の電線は、細い素線を何十本も撚(よ)り合わせた頑丈な構造になっている。そのため、落雷や強風に煽られることなどで、いきなり切断することは、まず無い。

「ただし、厳しい自然環境に長年使用されている送電設備においては,事故によるダメージで、撚っている電線の一部が切れたりすることもあり、電力を安定供給するために電力会社殿は設備の保全に日夜多大な労力を必要とされています」と、ニシム佐賀工場の杉町和則課長。

このため、雷撃、クレーン接触などのダメージが送電線に加わった場合、一刻も早い現場確認が必要なのだ。

とは言え、送電線は距離も長く,山間部等を走るため、どこで事故が発生したかを目視作業で探すのは、大変な手間を要する。

そこで昭和57年頃、九州電力殿からの要請に応じてニシムが開発したのが、電流通過検出型の「フォルトセクタ」。落雷やショートなどによって発生する大電流を検出し、鉄塔に設置した装置から目印(赤い布)が垂れ下がるという装置だった。

「比較的簡単な構造の機械でしたが、この装置によって事故発生区間が限定されるようになったわけですから、事故点探査に要する時間も大幅に短縮されたはずです」と、杉町課長。

その後もニシム社内では、電流通過検出型フォルトセクタをさらに高精度化すべく、意欲的な研究開発が進み始めたという。

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